2016年 02月 20日
【必読】29歳独身女子(自称)によるマネーの基本書が出ました! |
ittinさんは、「29歳独身一人暮らし女子」を標榜する謎の着ぐるみです。
運営するブログ「独身一人暮らし女だからこれからどうやって生き抜いていくか考えるブログ」は、なかなかユーモアに富んだ筆致で金融商品論や人間観察、日々の生活等が書かれており、人気を博しています。
理系出身らしくなかなか論理性に富んだシャープな洞察もあり、さらにかなり毒のあることも言われている場合もあるのですが、あまり背伸びもせずユーモアもあることなどから読みにくさを全く感じさせないのには感嘆させられます。
何を隠そうこの私も29歳と数百日ですから同年齢のはずなのですが、正直言って敵わんと思わされるところも多々あります。
さて、そのittinさんがこのほど書籍を上梓されました。
29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた
ツイッターでもよく絡ませて頂いており、年齢も近いとされている方でもありますから親近感がありますので、早速購入してみました。
期待に違わず、特に資産管理やマネーリテラシーにつき十分な経験や知見を持っていない人(特に若年層)には必読の書として推薦してよいものになっていると思います。
本が出版されます「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」 (独身一人暮らし女だからこれからどうやって生き抜いていくか考えるブログ)
追記
2月21日付けで菟道さんが書評記事を書かれています。「自分の現在と将来について自問自答する等身大の姿が描かれていて、非常に共感」「地に足をつけた生活意識とつねに自分の頭で考え、自問自答する姿勢を学ぶ方が、どれほど有益なことか。」という指摘、100%共感するところです。
『29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた』―若い女性の等身大の自問自答に共感
同じく2月21日付けで水瀬ケンイチさんの書評も出ています。やはり「等身大」という部分、またケーススタディーとしての指針機能を高く評価されています。
「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」(ITTIN著)は若者のお金の指針となりうるケーススタディ
2月23日付で、Nightwalkerさんの書評が出ています。新たな世代のロールモデルという高評価です。
29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた
同日付で、垂水ケイさんの書評が出ています。「お金」というものに関する位置づけはやはり共感を呼んでいますね。「働く君に伝えたい~」が本書の後続ステップになりそうなことは私も感じました。
「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」を読みました お金リテラシー実践編
同日付で、Piyomamaさんの書評も出ています。家計管理方法でもやはり驚嘆を禁じえない、同感です
「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」を読みました
この著書の意義は、このコメントに集約されるかも。
書評が出たらリンク追記するかも。
本書の構成を簡単に紹介しますと、以下のような順序で展開しています。
第1章 20代から考える将来への備え
→そもそもなぜ貯蓄や資産形成等につき考えようと思ったのか、考えなければならないのかについての記述です。マネープランニングに当たっての土台となる基本的な問題意識が集約されています。
第2章 20代から、しっかり家計管理してみた
→日常生活における家計管理・支出コントロール等についての方法論です。目的意識としても、単純にコストカットや資産の積上げ自体を目的とするのでなく、「労力に比して効果の高い方法」「人生を豊かにする(やりたいこと・やるべきことをする)ための機会に使う」という視点を示しています。
第3章 20代で資産運用を考えてみた
→投資に関する心構え(貯蓄などによって生活を確保することが第一であること、リスクに関して自ら理解・判断することが必須であることetc)や、確定拠出年金による投資との出会いからFX等によるリスク実感経験を経てコツコツ投信積立に至る経歴、その経験を経て考えた事などがまとめられています。
20代で2000万円云々というタイトルからするとイメージされるのはよほど資産運用(あるいは投機)の才に長けた超人か、もしくは途轍もないコストカッターかというところになると思いますが、筆者のブログを見ても分かるとおり、全くそのようなことはありません。
ごく普通の生活者である筆者が、特別に知識があるわけではなかったなりに考えた将来への問題意識や身の丈に合った無理せず実行可能な方法を述べているだけで、文体も相俟って極めて親しみやすいものとなっています。
今までも、お金の初心者に向けた啓発本は多々ありました。(私が直近で触れたものとしては、この本や、もう少し資産運用に寄った内容としてこの本など)。
しかし、書いているのは専門家であることが多く、十分平易に書かれているとはいえやや高度な理論がどうしても含まれていたりします。また、手に取る読者からしてある程度資産管理の必要性は認識している程度の人が想定されているでしょう。
それに対し、本書は一般の会社員である筆者の、理論というよりも普通の生活経験に根ざしたものとなっています。また、そもそもなぜ資産管理をする必要があるのかという点からして一般人目線での考察がされています。資産運用に関しても、自分で調べたり少額で実践してみた経験から肌で実感したものです。その意味で、資産について何の経験も考えも持っていなかった人が読んでもある程度共感・理解できる可能性が高そうです。
もとより、そのような完全真っ白の初心者が読んだとしても、到達点としてはインデックス投資ブロガーの共通認識の最低限くらいのところまではたどり着けると思います。
お金の目的についての以下の記述は、おそらく投資ブロガーや家計ブロガーのみならずおよそお金に触れたことのある人ならば万人が納得・共感するのではないかと思います。
あくまでも本書だけだと特に投資については最大公約数・最低限ですが(貯蓄・家計管理については本書だけでも十分だと思います)、本書を読めば筆者のブログにも行く人も多いでしょうから、その中の諸記事や他のブログへ流れていって徐々により高度な関連知識を身に付けられる人も多いでしょう。
例えば、
「投資をしないことが自国現金への集中投資でありリスクを伴うこと」については菟道さんのこの記事、
リスク管理についてはタカちゃんさんのこのカテゴリ、
高利に釣られて近寄るべきでない商品については、単なる高コスト低品質商品程度なら堀田さんのこのサイト、脱法・違法の疑いがある本格的にやばい商品ならゆうきさんのこのカテゴリ、
低コスト商品や安全資産(高金利預金・個人向け国債等)の情報であればkenzさん、
投資を実践するに当たっての基本認識については虫取り小僧さんのこのカテゴリ
等々。
本書は、そういったところへ踏み込むためのゲートウェイとして機能することを十分期待してよいと思います。
本書は、筆者の20代を通じての経験・知見を書いたものですが、「これから社会に出て本格的にお金に触れる層」、さらには「中学・高校生」レベルの層にも読んでもらいたい(また、読める)ものだと思います。
なんといっても、今後はインフレが起こる、いやいやデフレ逆戻りだ、マイナス金利だ、などと金融情勢もとみに大きく揺れ動いており、社会保障も切り下げが取り沙汰されたり、確定拠出年金やNISA等の拡充という形で自助努力が求められるようになっているところです。
各自の実践方法が積極投資によるのか貯蓄拡大によるのか支出削減によるのかはさておき、一人ひとりのマネーリテラシーの向上はもはや必須課題といってよい状況にあります。
その意味で、問題意識や方法論を、専門家でない一般人ながら相当程度の実績を上げている筆者と共有するのは非常に有益なことであり、また難易度も決して高くない(より高い難易度が必要なら上記関連ブログや他の書籍に進めばよい)ので十分理解して取り組んでいけることだと思います。
個人的には家庭科もしくは社会科(現代社会or政治経済)の副読本にしてもよいくらいだと思いますが、いかがでしょうか?
こぼれ話。
この本を書店で探した際、投資とか金融とかマネープラン本とかの棚をいくら探しても見当たらず、はてどこにあるのか…と店内在庫検索端末で探したところ…
文学棚のエッセイのところにありました。
……そりゃエッセイはエッセイなんだろうけど…(´・ω・`)
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運営するブログ「独身一人暮らし女だからこれからどうやって生き抜いていくか考えるブログ」は、なかなかユーモアに富んだ筆致で金融商品論や人間観察、日々の生活等が書かれており、人気を博しています。
理系出身らしくなかなか論理性に富んだシャープな洞察もあり、さらにかなり毒のあることも言われている場合もあるのですが、あまり背伸びもせずユーモアもあることなどから読みにくさを全く感じさせないのには感嘆させられます。
何を隠そうこの私も29歳と数百日ですから同年齢のはずなのですが、正直言って敵わんと思わされるところも多々あります。
さて、そのittinさんがこのほど書籍を上梓されました。
29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた
ツイッターでもよく絡ませて頂いており、年齢も近い
期待に違わず、特に資産管理やマネーリテラシーにつき十分な経験や知見を持っていない人(特に若年層)には必読の書として推薦してよいものになっていると思います。
本が出版されます「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」 (独身一人暮らし女だからこれからどうやって生き抜いていくか考えるブログ)
追記
2月21日付けで菟道さんが書評記事を書かれています。「自分の現在と将来について自問自答する等身大の姿が描かれていて、非常に共感」「地に足をつけた生活意識とつねに自分の頭で考え、自問自答する姿勢を学ぶ方が、どれほど有益なことか。」という指摘、100%共感するところです。
『29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた』―若い女性の等身大の自問自答に共感
同じく2月21日付けで水瀬ケンイチさんの書評も出ています。やはり「等身大」という部分、またケーススタディーとしての指針機能を高く評価されています。
「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」(ITTIN著)は若者のお金の指針となりうるケーススタディ
2月23日付で、Nightwalkerさんの書評が出ています。新たな世代のロールモデルという高評価です。
29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた
同日付で、垂水ケイさんの書評が出ています。「お金」というものに関する位置づけはやはり共感を呼んでいますね。「働く君に伝えたい~」が本書の後続ステップになりそうなことは私も感じました。
「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」を読みました お金リテラシー実践編
同日付で、Piyomamaさんの書評も出ています。家計管理方法でもやはり驚嘆を禁じえない、同感です
「29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた」を読みました
この著書の意義は、このコメントに集約されるかも。
@udohrintaro @inage56 若い人が書いて若い人が読むべき本が出版されて良かったですね。
— いっさん (@tigers_mr2) 2016, 2月 21
書評が出たらリンク追記するかも。
本書の構成を簡単に紹介しますと、以下のような順序で展開しています。
第1章 20代から考える将来への備え
→そもそもなぜ貯蓄や資産形成等につき考えようと思ったのか、考えなければならないのかについての記述です。マネープランニングに当たっての土台となる基本的な問題意識が集約されています。
第2章 20代から、しっかり家計管理してみた
→日常生活における家計管理・支出コントロール等についての方法論です。目的意識としても、単純にコストカットや資産の積上げ自体を目的とするのでなく、「労力に比して効果の高い方法」「人生を豊かにする(やりたいこと・やるべきことをする)ための機会に使う」という視点を示しています。
第3章 20代で資産運用を考えてみた
→投資に関する心構え(貯蓄などによって生活を確保することが第一であること、リスクに関して自ら理解・判断することが必須であることetc)や、確定拠出年金による投資との出会いからFX等によるリスク実感経験を経てコツコツ投信積立に至る経歴、その経験を経て考えた事などがまとめられています。
20代で2000万円云々というタイトルからするとイメージされるのはよほど資産運用(あるいは投機)の才に長けた超人か、もしくは途轍もないコストカッターかというところになると思いますが、筆者のブログを見ても分かるとおり、全くそのようなことはありません。
ごく普通の生活者である筆者が、特別に知識があるわけではなかったなりに考えた将来への問題意識や身の丈に合った無理せず実行可能な方法を述べているだけで、文体も相俟って極めて親しみやすいものとなっています。
今までも、お金の初心者に向けた啓発本は多々ありました。(私が直近で触れたものとしては、この本や、もう少し資産運用に寄った内容としてこの本など)。
しかし、書いているのは専門家であることが多く、十分平易に書かれているとはいえやや高度な理論がどうしても含まれていたりします。また、手に取る読者からしてある程度資産管理の必要性は認識している程度の人が想定されているでしょう。
それに対し、本書は一般の会社員である筆者の、理論というよりも普通の生活経験に根ざしたものとなっています。また、そもそもなぜ資産管理をする必要があるのかという点からして一般人目線での考察がされています。資産運用に関しても、自分で調べたり少額で実践してみた経験から肌で実感したものです。その意味で、資産について何の経験も考えも持っていなかった人が読んでもある程度共感・理解できる可能性が高そうです。
もとより、そのような完全真っ白の初心者が読んだとしても、到達点としてはインデックス投資ブロガーの共通認識の最低限くらいのところまではたどり着けると思います。
お金の目的についての以下の記述は、おそらく投資ブロガーや家計ブロガーのみならずおよそお金に触れたことのある人ならば万人が納得・共感するのではないかと思います。
また、投資についても、よく分かっていなかった当時に高コストファンドを知らずに買っていたことを「白アリが大量発生している木造住宅を選んだようなもの」、投信のコストを「スタートラインから後ろに下がった状態で走り始める(買付手数料)」「走っている間もずっと持ち続けないといけないおもり(信託報酬)」などと、識見ある者が誰しも認めるであろう正当な認識を平易に示しています。他にも、「むやみに口コミが多いもの」「○○向けの商品という文言」「法の保全・仕組みの明確(破綻や持ち逃げのリスク)」など、重要な視点は漏れがありません。
私にとって大事なのは「貯金すること」そのものではなく、「最も自分にとって満足度の高いお金の使い道とは何なのか、人生で有用になる資産や経験や知識とは何なのか考えて振り分けを行っていくこと」です。
あくまでも本書だけだと特に投資については最大公約数・最低限ですが(貯蓄・家計管理については本書だけでも十分だと思います)、本書を読めば筆者のブログにも行く人も多いでしょうから、その中の諸記事や他のブログへ流れていって徐々により高度な関連知識を身に付けられる人も多いでしょう。
例えば、
「投資をしないことが自国現金への集中投資でありリスクを伴うこと」については菟道さんのこの記事、
リスク管理についてはタカちゃんさんのこのカテゴリ、
高利に釣られて近寄るべきでない商品については、単なる高コスト低品質商品程度なら堀田さんのこのサイト、脱法・違法の疑いがある本格的にやばい商品ならゆうきさんのこのカテゴリ、
低コスト商品や安全資産(高金利預金・個人向け国債等)の情報であればkenzさん、
投資を実践するに当たっての基本認識については虫取り小僧さんのこのカテゴリ
等々。
本書は、そういったところへ踏み込むためのゲートウェイとして機能することを十分期待してよいと思います。
本書は、筆者の20代を通じての経験・知見を書いたものですが、「これから社会に出て本格的にお金に触れる層」、さらには「中学・高校生」レベルの層にも読んでもらいたい(また、読める)ものだと思います。
なんといっても、今後はインフレが起こる、いやいやデフレ逆戻りだ、マイナス金利だ、などと金融情勢もとみに大きく揺れ動いており、社会保障も切り下げが取り沙汰されたり、確定拠出年金やNISA等の拡充という形で自助努力が求められるようになっているところです。
各自の実践方法が積極投資によるのか貯蓄拡大によるのか支出削減によるのかはさておき、一人ひとりのマネーリテラシーの向上はもはや必須課題といってよい状況にあります。
その意味で、問題意識や方法論を、専門家でない一般人ながら相当程度の実績を上げている筆者と共有するのは非常に有益なことであり、また難易度も決して高くない(より高い難易度が必要なら上記関連ブログや他の書籍に進めばよい)ので十分理解して取り組んでいけることだと思います。
個人的には家庭科もしくは社会科(現代社会or政治経済)の副読本にしてもよいくらいだと思いますが、いかがでしょうか?
こぼれ話。
この本を書店で探した際、投資とか金融とかマネープラン本とかの棚をいくら探しても見当たらず、はてどこにあるのか…と店内在庫検索端末で探したところ…
文学棚のエッセイのところにありました。
……そりゃエッセイはエッセイなんだろうけど…(´・ω・`)
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by an_bow_umibune
| 2016-02-20 18:00
| 良書